「カーリースは損だからやめておけ」そんな言葉を耳にしたことはありませんか？手軽に新車に乗れることで人気のカーリースですが、一部では「損だ」という意見も聞かれます。
しかし、本当にカーリースは損なのでしょうか？結論からお伝えすると、カーリースは一概に「損」とは言えません。カーリースの仕組みや費用に対する誤解、あるいは一部のデメリットが強調されているケースが多いからです。
本記事では、カーリースが「損」と言われる主な理由を深掘りし、その誤解を解き明かします。さらに、カーリースを賢く利用するためのポイントを徹底的に解説します。あなたがカーリースを検討する上で、後悔しない選択をするための参考にしてください。
カーリースが「損」だと言われる主な原因と誤解
カーリースに対して「損」というイメージを持つ人がいるのはなぜでしょうか。その背景には、カーリースの仕組みや費用に関する誤解、あるいは一部のデメリットが強調されてしまっていることがあります。
「残価精算」のリスクと仕組み
カーリースが「損」だと言われる大きな理由の一つに、「残価精算」があります。残価精算とは、契約満了時に車の市場価値が、最初に設定した「残価（残りの価値）」を下回った場合に、その差額を支払う仕組みのことです。
例えば、契約時に100万円の残価を設定しても、実際に車の価値が80万円だった場合、差額の20万円を支払う必要があります。車の使い方や走行距離によっては、残価が大きく下がってしまう可能性も考えられます。
この追加費用のリスクが、「カーリースは損」と感じさせる原因になっているのです。しかし、残価精算のリスクがない「クローズドエンド方式」を選ぶことで、この不安を解消できます。
総支払額が購入より高くなるケースがある？
カーリースは、一見すると車の購入よりも総支払額が高く見えることがあります。これは、リース料金に税金や車検費用、メンテナンス費用などがすべて含まれているためです。
購入の場合、車両本体価格のほかに、自動車税や車検費用、自賠責保険料、メンテナンス費用などが別途かかります。これらの隠れた費用を合計すると、カーリースと購入の総支払額が逆転するケースもあるのです。
目先の費用だけでなく、車を維持するためにかかるすべての費用を考慮して比較することが大切です。
カスタマイズや走行距離制限による制約
カーリースには、カスタマイズや走行距離に制限が設けられていることが多いです。これは、車の所有権がリース会社にあるためです。
車はリース会社の財産であるため、契約満了時には原状回復が求められます。そのため、車の改造や大きなカスタマイズは原則としてできません。また、走行距離制限を超過すると、契約満了時に追加料金が発生します。
自由に車を改造したい方や、通勤などで長距離を運転する方にとっては、これらの制約がデメリットと感じられるでしょう。
途中解約時の違約金について
カーリース契約を途中で解約すると、高額な違約金が発生することが一般的です。これは、リース会社が契約期間を見越して料金を設定しているためです。
もし途中で解約されてしまうと、リース会社は予定していた費用を回収できなくなってしまいます。そのため、残りの契約期間分の料金や事務手数料などを違約金として請求されることがあります。
ライフスタイルの変化などで途中解約の可能性を考える方は、契約前に違約金に関する規定をしっかり確認することが重要です。
所有権がないことの心理的抵抗
カーリースは、契約期間中は車を「借りている」状態です。そのため、車が自分のものにならないことに抵抗を感じる人も少なくありません。
「自分の車ではない」という感覚から、愛着が湧きにくかったり、自由に扱えないと感じたりすることがあります。車を所有することに喜びを感じる方にとっては、この点が心理的な「損」と感じられるかもしれません。
カーリースの「損」だけじゃない！知っておきたいメリット
「損」ばかりが強調されがちなカーリースですが、もちろん多くのメリットも存在します。これらのメリットを理解することで、カーリースの本当の価値が見えてくるでしょう。
初期費用を抑えて新車に乗れる
カーリースの最大のメリットは、初期費用を大幅に抑えて新車に乗れることです。車の購入には、頭金や各種税金、登録費用などのまとまった初期費用が必要です。
一方、カーリースは、これらの初期費用が月額料金に含まれているため、頭金なしで契約できるプランがほとんどです。まとまった貯金がなくても、手軽に新車の利用を始められます。
月々の支払いが定額で家計管理が楽
カーリースは、月々の支払額が常に一定で分かりやすいというメリットがあります。車両代金だけでなく、自動車税や自賠責保険料、車検費用などが月額料金にコミコミで含まれているからです。
急な出費を心配することなく、家計の計画が立てやすくなります。毎月の車の費用が明確になるため、安心して車を利用できるでしょう。
税金や車検費用、メンテナンス費用もコミコミ
車の維持には、自動車税、自賠責保険料、車検費用、そしてオイル交換などのメンテナンス費用がかかります。これらの費用は、車を所有している限り避けられません。
カーリースの場合、これらの費用が月額料金に最初から含まれています。そのため、支払い漏れや忘れる心配がなく、面倒な手続きも不要です。特に、車の維持管理が苦手な方にとっては大きなメリットです。
面倒な手続きが少ない
車の所有には、車検の予約や税金の支払いなど、さまざまな手続きが伴います。しかし、カーリースでは、ほとんどの手続きをリース会社が代行してくれます。
あなたは、車検の時期に車を預けるだけでよく、税金の支払いも自動で行われます。忙しい方や、車の管理に時間をかけたくない方にとって、この手軽さは非常に魅力的です。
常に新しい車に乗れる
カーリースは、契約期間満了ごとに新しい車に乗り換えられるというメリットがあります。数年ごとに最新モデルの車に乗れるため、飽きずに車の利用を楽しめます。
新しい車は、燃費性能や安全装備が進化しています。常に最新の技術や快適な機能を利用したい方にとって、カーリースは最適な選択肢と言えるでしょう。
あなたにとってカーリースは「得」？それとも「損」？比較検討のポイント
カーリースが「損」か「得」かは、個人のライフスタイルや車の使い方、金銭感覚によって大きく異なります。ここでは、カーリースを検討する際に比較すべき具体的なポイントを紹介します。
車の利用目的と期間を明確にする
まず、あなたがどのような目的で、どれくらいの期間車を使うのかを明確にすることが重要です。通勤、買い物、レジャーなど、利用目的によって最適な車種や契約期間が変わるからです。
例えば、数年間の単身赴任で一時的に車が必要な場合や、子どもの送迎で短期間だけ大きな車が必要な場合など、特定の期間だけ車を使いたい方にはカーリースが向いています。利用目的と期間がはっきりすれば、あなたに合った選択肢が見えてくるでしょう。
走行距離の目安と制限への適合性
カーリースには走行距離制限があるため、年間どれくらい走るかを把握しておく必要があります。もし制限を超過してしまうと、契約満了時に追加料金が発生するからです。
通勤で毎日長距離を走る方や、休日によく遠出をする方は、走行距離制限が緩いプランを選ぶか、購入も検討することをおすすめします。自分の車の使い方と制限が合っているかを確認することが大切です。
カスタマイズの必要性と許容範囲
車を自分好みにカスタマイズしたいかどうかを考えることも重要です。カーリース車は原則として原状回復義務があるため、大きなカスタマイズはできません。
例えば、エアロパーツを取り付けたり、足回りを変更したりといった改造は難しいでしょう。もし、車の見た目や性能を自由にカスタマイズしたい場合は、所有権のある購入の方が向いています。
初期費用の有無と月々の支払い上限
初期費用を抑えたいか、月々の支払いに上限があるかを考えることもポイントです。カーリースは初期費用なしで始められるプランが多く、月々の定額支払いは家計管理に役立ちます。
一方、購入では頭金や初期費用が必要ですが、月々のローン支払いを終わらせれば、その後は車の維持費だけになります。あなたの予算と支払いの希望に合わせた選択ができるでしょう。
購入と比較した総支払額シミュレーション
カーリースと購入のどちらが「得」かを判断するには、目先の費用だけでなく、総支払額を比較することが不可欠です。カーリースは月額料金に税金やメンテナンス費用などが含まれています。
購入の場合、車両本体価格に加えて、諸費用、税金、車検費用、メンテナンス費用などを全て合算して考える必要があります。これらを考慮した総支払額をシミュレーションすることで、全体像が見えてきて、あなたにとっての「損得」を正確に判断できます。
後悔しないためのカーリース選び方と注意点
カーリースで後悔しないためには、契約内容をしっかりと理解し、自分のニーズに合ったプランを選ぶことが不可欠です。ここでは、具体的な選び方のコツと注意点について解説します。
複数のカーリース会社を比較検討する
カーリースを選ぶ際は、複数の会社を比較検討することが非常に大切です。リース会社によって、月額料金、サービス内容、メンテナンスの範囲、残価設定方式などが大きく異なるからです。
いくつかの会社の見積もりを取り、それぞれのプランをじっくり比べてみましょう。そうすることで、あなたに一番合った条件や、よりお得なプランを見つけられる可能性が高まります。
残価設定方式（オープンエンド/クローズドエンド）を理解する
カーリースには主に「オープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」の2種類の残価設定方式があります。この違いを理解することが、後悔しないための鍵です。
オープンエンド方式は、契約時に残価が公開され、契約満了時に残価と実際の市場価格との差額を精算します。そのため、追加費用が発生するリスクがあります。
一方、クローズドエンド方式は、残価が公開されず、契約満了時に残価精算がない場合が多いです。追加費用を避けたい場合は、クローズドエンド方式のプランを選ぶと安心です。
メンテナンスプランの内容と範囲を確認する
メンテナンスプランは、カーリースの月額料金に含まれることが多いサービスですが、その内容と範囲はリース会社やプランによって大きく異なります。どこまでが月額料金に含まれるのか、詳しく確認しましょう。
例えば、オイル交換やタイヤ交換、バッテリー交換、消耗品の交換などが含まれているか確認してください。プランの内容が手薄だと、別途メンテナンス費用がかさむ可能性があります。
契約期間と走行距離制限を適切に設定する
自分の車の使い方に合わせて、契約期間と走行距離制限を適切に設定することが重要です。契約期間が短すぎると月額料金が高くなり、長すぎると途中でライフスタイルに合わなくなる可能性があります。
また、走行距離制限を超過すると追加料金が発生します。将来の予定も考慮し、無理のない契約期間と、自分の年間走行距離に見合った制限を選ぶようにしましょう。
中途解約に関する規定を事前に把握する
万が一の事態に備えて、中途解約に関する規定を契約前にしっかり確認しておくことをおすすめします。カーリースは原則として途中解約が可能ですが、多くの場合、高額な違約金が発生します。
違約金の計算方法や、やむを得ない事情（転勤、事故など）での解約に関する特別な規定があるかなども確認しましょう。事前に知っておくことで、予期せぬ事態にも落ち着いて対応できます。
任意保険は別途加入が必要なことを認識する
カーリースの月額料金には、自賠責保険料が含まれています。しかし、自賠責保険は事故の際に相手への最低限の補償しかありません。
そのため、万が一の事故に備えて、任意保険には別途自分で加入する必要があります。任意保険は、自分や相手の損害を幅広くカバーしてくれる大切な保険です。リース料金とは別に、任意保険の費用も予算に入れておくようにしましょう。
よくある質問
カーリースと購入ではどちらがお得ですか？
一概にどちらがお得とは言えません。初期費用を抑えたい、月々の支払いを一定にしたい場合はカーリースが向いています。一方、車のカスタマイズを自由に行いたい、走行距離を気にせず乗りたい、最終的に自分のものにしたい場合は購入がお得と感じるでしょう。総支払額だけでなく、利便性やライフスタイルに合わせて検討することが重要です。
カーリースは残価精算で追加費用が発生すると聞きましたが本当ですか？
はい、本当です。残価設定型のカーリースの場合、契約満了時の車の価値が設定した残価を下回ると、その差額を精算する必要があることがあります。特にオープンエンド方式の契約で起こりえます。しかし、クローズドエンド方式や、残価保証付きのプランを選べば、このリスクを回避できる場合があります。
走行距離制限を超過するとどうなりますか？
多くのカーリース契約には走行距離制限が設けられています。契約期間中にこの制限を超過した場合、契約満了時に超過分の追加料金を支払う必要があります。契約前に自分の年間走行距離を予測し、適切なプランを選ぶことが重要です。
カーリース中に車をぶつけたらどうなりますか？
カーリース中の事故や傷は、車の価値（残価）に影響を与える可能性があります。軽微な傷であれば修理費用を負担するだけで済むことが多いですが、大きな損傷の場合は残価精算時に追加費用が発生したり、修理・交換の費用が高額になることがあります。任意保険への加入は必須であり、車両保険でカバーできる範囲を事前に確認しておくべきです。
途中解約はできますか？
カーリース契約の途中解約は可能ですが、原則として多額の違約金が発生します。これは、契約期間に応じてリース会社が回収する予定だった費用が回収できなくなるためです。やむを得ない事情で途中解約が必要になる可能性を考慮し、契約前に違約金に関する規定をしっかり確認しておくことが大切です。
まとめ
カーリースは「損」だという意見もありますが、本記事で解説したように、それはカーリースの仕組みに対する誤解や、一部のデメリットが強調されていることが原因です。結論として、カーリースは賢く利用すれば、決して「損」ではない、むしろ「得」な選択肢となり得ます。
初期費用を抑えて新車に乗れること、月々の支払いが定額で家計管理が楽なこと、税金や車検費用が含まれていて面倒な手続きが少ないことなど、多くのメリットがあります。
あなたにとってカーリースが「得」か「損」かは、車の利用目的、走行距離、カスタマイズの有無、そして残価精算のリスクをどこまで許容できるかによって変わります。複数のカーリース会社を比較し、契約内容をしっかり理解することが後悔しないための鍵です。
この記事を参考に、あなたのライフスタイルに合った最適なカーリースの選択をしてください。